4 December 2010

Miral

Miral by Julian Schnabel 2010 France, Israel, Italy and India

前作「潜水服は蝶の夢を見る」がとてもよかったジュリアン・シュナベールの新作「ミラル」、70年代にパレスティナに生まれたミラルの話。この複雑で偏りがちになりやすいイスラエル/パレスティナ問題、シュナベールはどうやって描くのだろうと期待していた作品です。

イスラエルが建国した1948年、パレスディナ戦争孤児55人を引き取ったHind (Hiam Abbass)、孤児の数は増え続け女学校を設立するに至る。74年に生まれたミラル (Frida Pinto)、7歳で母を亡くした後、父 (Alexander Sidding) に連れられこの学校に預けられる。父の妹はテロ爆弾に加わり終身刑の身と民族の不幸なスパイラルを見続けた父は娘がこの葛藤の犠牲にならないよう見守るが、インティファーダに影響を受ける17歳になったミラルは多くの若者同様彼女自身も引き込まれて行く。

所々の話が尻切れトンボの様になっていますが、そんな事が気にならない私的には満足できる作品でした。話はパレスティナ側から描かれてますがイスラエル側もあり、この複雑な問題を一人の少女の視点そして彼女の成長から、相互解決を諦めない未来そして何が今大切なのかを感じさせます。このミラルのモデルになったのがイタリアで長年ジャーナリストとして活躍し現在エジプトにいるRula Jerbealという女性。写真でみると凄い美人です。

イスラエル/パレスティナといえば普通イスラエルの残虐行為が取り上げられ勿論これは肯定出来る行為ではないのですが、大きく言えばこれはヨーロッパ諸国とUNのプロパガンダの影響とも私は感じています。尖閣諸島に関して国民世論を恐れる中国政府が日本をスケープゴートに利用し、ウィキリークのジュリアン・アサンジュが婦女暴行で国際手配されてるのもどうも仕組まれているとしか思えず、話がそれていきましたが、真理はいくらでもねじまげられ操作出来るという世の中、最後にミラルがピュアな気持ちでジャーナリズムに進んで行くというのが分かります。

イスラエル/パレスティナ問題、ここに書くにはあまりにも複雑すぎでまた私自身まだまだ理解不足なので触れませんが、この題材をあえて撮ったシュナベールに拍手です。

4 comments:

Bianca said...

尖閣諸島、ウィキりークス事件の例にあるように、真理はいくらでも捻じ曲げられ操作できる、とおっしゃるのに同感です。イスラエルに関してもきっとそう言う部分もあるのでしょう。この映画見たいです。Rulaさんがすごい美人ときいて、思い出したのですが、昔パレスチナの女性で、ライラ・カリドというすばらしい美貌の持ち主がいました。もっとも、日本人から見てのことで、向こうでは至極ありきたりの容貌なのかも知れませんが。

claudiacardinale said...

ビアンカさん、ライラ・カリドの美貌を見ようとよこしまな考えでグーグルしてみたら、沢山写真が出てきました。美貌だけでなく中身もすごい女性なんですね。金賢姫のよう?と思いましたけどこちらのほうが筋金入り。けどテロで有名になってから整形手術を受け現在は暴力的手段を否定してPNCのメンバーとして各国を演説してるそうです。いやーたくましい女性です。

Bianca said...

CCさん、その後のライラの消息ー整形手術をしたとか各国を演説しているとか、初めて知りました。元気で嬉しいです。昔日本で彼女の自伝が発行されたことがあり、その中で何枚かの彼女の写真が美しいと思ったのですが、自伝では女性が差別されていたパレスティナで孤軍奮闘して道を開いたとあり、金賢姫のように、独裁者に言われるままに唯々諾々とスパイになったのとは大分違う(主体性がある)と思いますが、暴力を否定する考えになったとはやはり先見の明がありますね。しかし、あまりに逞しい女性で色っぽい女性が好みのCCさんはちょっと引いてしまうというのは分かります。

claudiacardinale said...

ビアンカさん、全然引いてませんよ、その全く逆で彼女の自伝が読みたくなりました!ちょっと探してみます。