23 November 2010

Adriana Lecouvreur

Adriana Lecouvreur by Francesco Cilea @ Royal Opera House

初めての上演が1906年、長年上演されないで埋もれていたチレアの「アドリアナ・ルクヴルール」、ローヤル・オペラ・ハウスとウィーン国立歌劇場とリセウ大劇場とSFオペラとパリ国立オペラの5劇場共同プロダクションで再現。お話は入り組んだオペラ特有の愛憎劇ですが、舞台が18世紀のコメディー・フランセーズで実在したアドリアナ・ルクヴルールという女優がベースになってます。

このアドリアナ・ルクヴルールがアンジェラ・ゲオルギュー、恋人モーリッチオにヨナス・カウフマンと素晴らしいコンビ。実はこのオペラ、最近ヨナス・カウフマンに夢中のNYの友人から絶対に見に行けと押され見に行った次第。ヨナス・カウフマンは初めて見たのですが容姿実力ともになかなかナイスでした。

5劇場共同プロデュースで予算がたっぷりあったのでしょうか、舞台美術そして衣装はなかなかセンスのいい豪華さ。演出はDavid McVicarでそのままお芝居としても楽しめる程。劇場は超満員で残る上演もチケットは売り切れ状態だそうです。久々に満足感に満ちたオペラでした。

22 November 2010

Uncle Boonmee who can Recall his Past Lives

Uncle Boonmee who can Recall his Pat Lives by Apichatpong Weerasethakul 2010 Thailand

2010年カンヌのパルムドール受賞作品、タイの「ブンミおじさん」。人生最期を迎える主人公が生まれ育った田舎の森の中で過ごす、そこに亡くなった妻が現れ行方不明となった息子が登場する。深い闇につつまれ樹林が織りなす神秘的な大自然、そこで起きる奇天烈な出来事が、神話の様に不思議な過去/現在、生/死の世界を創造している。一方主人公が死んだ後観客は現実の世界に引き戻されるという、全体的に監督の世界観がはっきりと現れている作品だった。

主人公の葬式の後、修行僧になった主人公の甥が寺から袈裟をまといながら抜け出し、叔母のホテルに訪ねて、シャワーを浴びジーンズとTシャツに着替えてから外に夕食を食べに行くというシーンがあるのだが、ストーリー全体でこの部分が一番動きのある部分だった、という位にとても静かな作品。神秘的な不思議な世界から普通の現実と、不条理が入り交じる童話の映像版の様である。

カンヌの審査委員長がティム・バートンだったというのが頷けます。

16 November 2010

霧のロンドン


映画のタイトルではありません。朝起きると外は真っ白、霧が立ちこめてて視界度ほぼゼロ。BBCのお天気サイトをみると本日霧でこれも真っ白状態。とってもロンドンらしいのでブログに載せてしまった次第です。

13 November 2010

The Clock

The Clock by Christian Marclay @ White Cube

White Cubeギャラリーで展示されている「The Clock」、最終日にやっとを見てきました。この「The Clock」は古今東西幾千とある映画の中で使われている時計や時間のシークエンスを集め、24時間実際の時間の流れとシンクさせシーンをつなぎ合わせた実験映像です。


映画の中で使われる時間のシークエンスは実に多いもので、時計実物クローズアップ、腕時計を見る、電話や人を待っていて時計にパン、朝寝ている横にある時計、時間がないとけんかしているカップルの後ろに見える時計、事件爆弾の時計、合図の時間、ただ単にバックグランドに映っている時計、もうこんな時間と急ぐ台詞などなど時間というのは映画の中では必然要素。

つぎはぎされている各シーンは、あっこの映画だ!とか、おージャック・ニコルソンだ!ジャン・ピエール・レオだ〜、この映像すごく古くないか〜と楽しく見れ、またストーリー性はないのですが、なにかしら12時前には焦っているシーンが集められ、なんでもない2時23分とかではのんびり調の時計のシーンがありと、次はなんだろうとなんとなく長々見てしまうのです。さすが24時間ぶっつづけでは見られずお腹がすいてきた頃には出て来てしまったのですが・・・。また人の行動は面白いもので、超満員の会場に置かれたソファーに人々は腰掛けたり床に座ったりも壁もたれたりして見ており、人の動きは入場してくる人が殆どだったのですが、きりのいい時間になると多くの人が席を起っていました。無意識的に時間がもたらす心理的作用というのは多くの人間に共通してるのですね。