12 December 2011

Les Enfants du Paradis

Les Enfants du Paradis by Marcel Carne 1945 France

新しくデジタル修復された「天井桟敷の人々」を二十数年ぶりに大画面で見た。製作されてから六十何年経った今でも人気が高くブリティッシュ・フィルム・インスティテュートではチケットは完売、私がいった劇場もほぼ満席状態だった。1800年代パリが舞台、ガランス(アルレッティ)と、彼女を巡る男達、パントマイム師のバチスト(ジャン・ロイバロー)、ロマンティック役者フレディリック(ピエール・ブラッスール)、作家で強盗殺人者のピエール(マルセル・エラン)、モントレー伯爵(ルイ・サルー)のお話。

戦時中に製作されたこの映画の費用は16億円、そして3年以上かかったという。たしかに19世紀のパリの町並みのシーンは迫力がある。話、台詞、演出とどれをとっても無駄がなく、役者の演技も素晴らしい。この映画、米国や日本の映画批評で「素晴らしい映画トップ10」の常連なのだが、疑う余地なし。あえて一つ欠点を言えば、個人的にガランスにはどうも魅力を感じない。まあ劇場が人々のエンターテイメントの主流であった19世紀だからこの様な能面顔が好まれたのだろうか。

この作品、初めて見たのが十代後半。この時の感想は「あー悲しい、人生ってこういうものなんだ」と思ったが、二十数年経った今は悲しいかな「あーダメ男、目を覚ませ!!」であった(笑)。二十数年後に見たらまた違う感想だろう。

2 comments:

Bianca said...

CCさん、こんにちわ。ご無沙汰です。
私も30代、50代、そして最近、見たのですが、初回はただもう感激で何がなにやら見分がつかず、その次に見たときはCCさんと同じ、男があまりにうぶでウカツ(目を覚ませ!)、そして最後は、この女性は常識があるだけ、特に魅力があるわけでもなく、善でも悪でもない、これはバチスト(夢見る芸術家)を描く映画なんだと思いました。うぶでウカツでいいんだ、それが芸術家の生きる道だと言うことですかね。

claudiacardinale said...

biancaさん、そちらはもう新年でしょうか?こちらは31日朝です!来年もbiancaさんのブログ引き続き読ませていただきますね。
確かに芸術家はうぶでウカツだからこそ芸術家ですよね。作家、芸術家、音楽家って結構この手が多いですよね。