12 February 2012

The Insect Woman

The Insect Woman by Shohei Imamura 1963 Japan

今村昌平の「にっぽん昆虫記」がICA(インスティテュート・コンテンポラリー・アート)で上映されていたので見に行った。1964年ベルリン映画祭で銀熊賞を受賞している。英タイトルは「The insect woman/昆虫女」、一方オリジナルタイトルは「にっぽん昆虫記」と英タイトルはどちらかというと寄生虫的に、個人に焦点をあてた意図を感じるのは私だけだろうか。見終わった後、この作品は、社会に生息し繰り返される生を観察した、いわゆる昆虫記、タイトル通りに日本の昆虫記だと実感。主人公のとめ(左幸子)が社会の底辺を這いずり回ってでも生き抜く姿、そして世代が代わってもなを同じ事が繰り返される。そこには生き物の根本的な生の姿を見る事が出来る。自然界において繰り返される生の姿は真相であるが、しかしこれが人間社会に置き換えられるといかにもシシューポスの神話となる。

時代的にイタリアン・ネオレアリズモとヌーベルバーグに影響されているが、現在の映画には見られない面白さがこの作品にはあった。

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