12 March 2016

Spotlight / スポットライト 世紀のスクープ

by Tim McCarthy 2015 USA

今年度アカデミー賞の作品賞と脚本賞を受賞した「スポットライト」。2002年ボストングローブ紙の調査報道班スポットライトがボストン地区のカトリック司祭による児童性的虐待事件そして組織全体でのカバーアップの報道までの道のりである。その後この事件は米全土そして全世界に広がり、ついにはローマ教会を揺るがした。

このスポットライト・チームのウォルター役のマイケル・キートン、マイク役にマーク・ラファロ、サーシャ役にレイチェル・マックアダムス、新しく就任した編集長マーティンにリーブ・シュレーバー、ギャラベディ案弁護士にスタンリー・トゥッチとキャスティングの息が合っていいアンサンブルだ。

当時NYに住んでいたが、連日これでもかという程にカトリック聖職者の性的虐待事件報道が続き、またその規模が膨れ上がっていったのを覚えている。また特にタブロイド紙のえげつなさ、目を背けたくなる程だった。現在ネットやソーシャルネットワークが普及し新聞そして報道の体形が変わってきている。多くの新聞は売り上げが落ち、ネット上のみとしたりあの手この手で生き延びている。真の報道とはこのようなスポットライト班が時間をかけて調査するものであり、それに対する購買者からの支払いはもっともで、これがなくなると報道の質にも関わってくる。ただで読めるブレイキング・ニュースと調査報道との違いがより明確になってくるのだろう。プラス最近の米大統領予備戦で見る様世の中は両極端かしており見たい物を見る、読みたい物を読む傾向にある一般市民の傾向に向けて情報もより極端化していくのだろう。スパイラス状態だ。

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