14 October 2016

Velvet Goldmine / ベルベット・ゴールドマイン

by Todd Haynes 1998 UK, USA

イギリス人ジャーナリスト、アーサー(クリスチャン・ベール)は70年代ロンドンを席巻しグラムロックを築き上げたもののスキャンダルで姿をくらましたシンガー、ブライアン・スレイド(ジョナサン・リース・マイヤース)の行方を追跡取材、その行程が当時グラムロックに傾倒していたアーサー自身と重ね合わせながら語られる。

監督は「キャロル」や「I'm not There / アイム・ノット・ゼア」のトッド・ヘインズ。そういえば「I'm not There」は今ニュースで湧いているノーベル賞文学賞を受賞しボブ・デュランの伝記映画。勿論この「ベルベット・ゴールドマイン」もデビッド・ボウイのアルバムと同名である事からボウイを題材としているのは一目瞭然。だがボウイ本人はこの作品への楽曲提供をかたくなに断ったという。映画の中でユアン・マックレガー演ずるカート・ワイルドと同性愛関係になるブライアン・スレイド。このカート・ワイルドはイギー・ポップであり、実際ボウイとイギー・ポップは関係があったと言われている。またトッド・ヘインズが描写したブライアン・スレイドの現在の姿がヘインズなりのボウイへの批判と受けられるなど、ボウイが楽曲を否定した理由は様々述べられている。

この作品は公開当時に見たのだが、イアン・マックレガーは「トレインスポッティング」で名前が出て来ていたので知っていたが、クリスチャン・ベールが出ていた事には全く気がつかなかった。話しを元に戻すが、たしかにあのエンディングを見るとボウイが楽曲を拒んだのも分かる。また拒否が功を奏して一つのいい作品になったと思う。

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