16 November 2016

All the King's Men / オール・ザ・キングスメン

by Robert Rossen 1949 USA

ロバート・ロッセン監督、ロバート・ペン・ウォーレン著書「全ての王の臣」原作、22回アカデミー作品賞、主演男優賞、助演女優賞受賞作品。2006年にはショーン・ペンでリメイクされている。田舎の政治家志望のウィリー・スターク(ブロデリック・クロフォード)が州知事に成り上がる話し。スタークは元々郡の不正政治を訴えて出馬するが操作されたシステムの中落選、その後弁護士としての資格を得、雄弁な演説を身に付け一般群衆を魅了し知事選で当選する一方スターク自身も汚職に手を染めて行く。

スタークが政治家として登り詰め弾劾裁判にかけられるまでに様々な複雑な人間模様が写し出される。駆け出しの記者ジャック・バーデン(ジョン・アイアランド)は初め正義を唱えるスタークに魅了され徐々に選挙活動に加わるのだが最後には汚職に染まるスタークに絶望。結果的にはジャックだけではなくスタークの周りの人間が去って行く。

この作品は11月8日の米大統領選挙数日後、結果に失望している時に見た。別に意識してこの題材を選んだ訳ではなくたまたま手元にあったから。エゴそれとも社会状況の向上の為には手段をいとわずなのか、現実的に政治は紙一重の部分から成り立っている。今回の選挙でだれもかれもがヒラリー・クリントンは腐敗していると言っていた。昔からヒラリー・クリントンを見て来たが、やり遂げるためには手段を選ばずという言葉が彼女にはあっているが、真に社会向上を考えている政治家だと思う。勿論手段は法には触れていない。ともかくとても残念な結果であり、アメリカだけではなく世界が危険な方向に進んでいる事は誠にやるせない思いである。

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