Ieri, Oggi, Domani / 昨日、今日、明日

by Vittorio De Sica 1963 Italy

ビットリオ・デ・シーカ監督、主演ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニと、まさしくイタリア映画黄金作品。３部作に別れ、それぞれ違った状況でのソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの色沙汰話しである。１話は闇市でタバコを売った刑を逃れようとするナポリの若い労働者クラスのカップルの話し、２話はミラノの勇敢マダムと彼女に誘われた男の話し、３話はローマの娼婦とその娼婦にお熱を上げる金持ちドラ息子の話し。どの話しでもソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの魅力が最大限に引出されており、どれが一番面白いか、甲乙付け難い。またコメディーながらもナポリでは貧しい労働者の実状、工業的に反映を極めるミラノ、そしてローマでは神学生と娼婦と金持ちとバックグラウンドはその都市の社会状況を反映したものとなっている。

３話でのソフィア演ずるマーラがベッドに横たわるマルチェロ演ずるアウグストの前でストッキングを脱いでストリップを演じるシーンは、30年後の1994年、ロバート・アルトマン作「プレタポルテ」で再現されている。アイコニックなシーンはいつまででも脳裏に残るものだ。

ソフィア・ローレンは大好きな女優で、またマルチェロ・マストロヤンニも私が初めて好きになった男優で永遠の理想の男性像、そして大好きな監督デ・シーカと、イタリア映画ファンの私にとってはいつ見ても文句なしに楽しめる作品だ。