
人種偏見だらけの田舎町、白人主義の価値観が自然と根付いているスパルタの街、この街の署長ギレスピーも典型的なレッドネックだが、捜査が進むにつれギレスピーとティプスの間にある軋轢が狭まって行く。一見ギレスピーの偏見に比重がおいてあるように見えるが、ティプスの中にある憎しみと偏見も見せる事によって、単に人種差別だけではなく同じ人間同士のぶつかり合いが描かれている。これがこの映画の深みを出している。
この映画が製作されたのが67年、この50年間の間に人種差別はなくなってきたように思えるが、この数年間でまた亀裂が広がり、パンドラの箱を開けたトランプ政権誕生によりヘイトが加速され、欧州でも極右の広がりを見せている。この作品をまたみるべき時代がきたと思うとむなしいものだ。
No comments:
Post a Comment