5 May 2017

El Angel Exterminador / The Exterminating Angel / 皆殺しの天使

by Luis Bunuel 1962 Mexico

シュールレアリズムを代表する作品の一つ、ルイス・ブニュエルの「皆殺しの天使」。ルイス・ブニュエルといえば「アンダルシアの犬」や「昼顔」「欲望のあいまいな対象」「ブルジョワージの密かな愉しみ」など衝撃的で、難解、スキャンダラスな内容と、私の映画探究心を多いにそそる監督の一人。

ブルジョワ階級のルシアとエドムンドは12人の友人を彼らの豪邸でのディナーパーティーに招く。ゲストが次々に到着すると同時に豪邸で働くメイドやコックなどが辞職し執事一人が残される。ゲストが一夜を楽しんだ翌朝、だれもが部屋から一歩も出れない事に気付き始める。

この「皆殺しの天使」は彼の作品の中でも説明し難い作品と言われているが、逆にとても解釈しやすい作品に思う。フランコ・ファシズム政権とブルジョワ階級への批判、そして飾られた人間の中に潜む本性を扱っている。とはいいつついきなり熊が出て来たり、羊が出て来たりとブニュエルの良さもちりばめられている。

この作品を見た数日後ローヤル・オペラでオペラ化された「The Exterminating Angel」を見たのだが映画もオペラもとても楽しめた作品であった。

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