1 August 2017

Dunkirk / ダンケルク

by Christopher Nolan, UK 2017

1940年5月25日から6月4日にフランスのダンケルクで起った英仏撤退作戦が舞台。ナチス・ドイツは北フランスまで侵攻、仏・英軍をドーバー海峡まで追い詰めた。チャーチルは英仏35万人の兵士をダンケルクから救出する事を決め、英海空軍だけではなく一般の人々も参加し、商業船舶、ヨットや漁船までがドーバー海峡を渡って兵士の救出作業にあたった。

この作品では英空軍パイロット、若い陸軍の兵士達、ヨットで救出に向かう一般人の3つの視点から描かれている。台詞は殆どなく現実に起っている事が叙述的に映像を通して語られている。さすがクリストファー・ノーラン、「メメント」や「インセプション」でも見られたが、この手の描き方はとても上手い。

ほぼ99%戦闘シーンというこの映画の中でケネス・ブラナー演ずるボルトン司令官の不安、焦り、責任、希望と入り乱れる表情が印象的であった。実際に兵士の殆どは20歳にも満たない若者だったという。キャスティングでも多くの若者が起用されていた。ポップグループで絶大な人気を得ていたワン・ダイレクションのリードシンガー、ハリー・スタイルズの映画初出演という事も話題になっていたが、演技はなかなかであった。

それにしても「プライベート・ライアン」辺りから映像・音響効果が画然と進歩し、戦闘シーンは臨場感溢れ、まるで戦場にいるかの様に感じられるが、これを長々見続けるととても疲れてしまう。映画が始まる前の宣伝の一つに実際の第二次世界大戦中の戦闘(場所は忘れてしまった)をクリエイトした銃撃ゲームがあった。なにかしらモラルに反するものを感じたのは私だけだろうか。

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