12 December 2017

Menashe / メナシェ

by Joshua Z Weinstein 2017 USA

NYブルックリンのBorough Park、イスラエルの次に正統派ユダヤ人人口が多い地区である。この地区に住むハシド派で男やもめのメナシェ、10歳の息子リベンがいるが宗教指導者ラビの指示でメナシェの兄一家に預けられている。メナシェの懐はいつも困窮し、グローサリーショップでの仕事もなかなか上手くいかず、亡き妻の治療費も兄に代用してもらっていたりと、兄からは見下され、また自尊心にも欠けるメナシェだが、息子への愛情は大きい。

このメナシェ(写真右側)、とても真面目でいい人柄がそのまま滲み出ているが、運の流れは彼に逆らっているようだ。自立して自分の手で子供を育てる事ができることを兄やラビに証明し、息子を引き取ろうとする姿が遣る瀬無い。

クルクルの髪の毛で大きな帽子を被り黒のスーツを着、ジャケットの裾から白シャツに付いている4本のフリンジが見える独特なスタイルの正統派ユダヤ人。女性も帽子の代わりにカツラを被り子沢山。彼らのライフスタイルに関して少しながらの知識はあるがとてもミステリアスなものだ。この作品では正統派ユダヤ人の生活に入り込み彼らの日常の姿を垣間見ることができる。

この滅多に見る事のないハシド派の生活が舞台になっているが、題材は親子の愛という普遍的なも、そして話は丁寧に描かれ、また役者もとても信憑性があることがこの作品の成功に繋がったのであろう。

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