24 January 2018

Salome / サロメ

@ Royal Opera House
作曲 : Richard Strauss
指揮 : Henrik Nanasi
演出 : David McVicar


オスカー・ワイルドの戯曲が元となっているシュトラウスの「サロメ」。このプロダクションは2008年マックビカー演出の再演であり10年前のものだが色褪せず十分な見応えである。7つのベールの踊りでは、義父エロドの長年に渡るサロメの葛藤をクロノロジカルに見せサロメの苦悩が現れている。とにかく血みどろの舞台で、終わった後の挨拶ではヨカナーンを歌ったミヒャエル・ボォッレとサロメのマリン・ビストレムが床に溜まった血溜まりを避けて何度も挨拶している姿は観衆からクスクス笑いを誘っていた。
サロメは1世紀頃古代パレスティナに実在していたとされる。ヨカナーンの生首に口づけするサロメは耽美の象徴とされ彼女を題材にした絵画、小説は数多くある。オペラでは演出家によって、狂った女、虐げられた女性、自己を突き通す女性と解釈は色々とあるが、このマックビガーの舞台ではどちらかというと虐げられてきた女性という印象を与えるが、それ以上に自己顕示欲が異常に強い女性、ファムファタールが具現化されている。


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