29 April 2018

Machbeth of Mtsensk / ムツェンスク郡のマクベス夫人

@ Royal Opera House
作曲 : Dmitry Shostakovich
演出 : Richard Jones
指揮 : Antonio Pappano

リチャード・ジョーンズの2004年プロダクションのリバイバル「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、ニコライ・レスコフの小説を基にショスタコーヴィチが作曲した。初演当初は大成功を収めたが、観劇したスターリンの反感を得、20年以上に渡って上演されていなかった。19世紀後半ロシア、裕福な家に嫁いだカテリーナ、子供が出来ない故虐げられた毎日を過ごす。性的欲望の渦に巻き込まれるカテリーナは愛人と共に夫と義父を殺害する。話はドロドロ、性的にきわどいシーンも多く、そのままだと暗い重たい内容だが、いたるところに笑いのツボも押さえた演出に、多少自虐的な社会風刺オペラとなっている。このカテリーナ、マクベスのシェイクスピアの野心的なマクベス夫人、またファムファタールをモチーフにしているようだが、このオペラではどうも当時の社会に抵抗できず運命の荒波の犠牲者となる女性という印象だ。カテリーナはEva-Maria Westbroek。カテリーナの舅で腹黒いボリスを歌ったJohn Tomlinsonの演技は大いに楽しむことができた。全体的に上手いプロダクションであった。

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