14 November 2018

Gate of Flesh / 肉体の門

by  Seijyun Suzuki 1964 Japan

1964年制作、鈴木清順の「肉体の門」、この時代の作品は監督の遊びや実験的な演出が取り入れられ面白い作品が多いがこの「肉体の門」もその一つ。「肉体の解放は人間の解放」と1947年に書かれた田村泰二郎の原作を元に戦後の怒涛の社会に生き抜く娼婦四人と復員兵を描く。美術監督の木村威夫が表現する世界と鈴木清順の演出がなんともエロティックかつダイナミック、先鋭的な映像を作り出してた。「食うことそして性欲が人間の本性」と嘆く復員兵の宍戸錠、そして全てを呪い底辺まで身を落とすマヤの野川由美子が若者の本性を体現しておりとても印象的。荒廃し切った灰色の東京の街のなかで四人の娼婦がきている服は赤、青、黄、緑の原色、画面の中で彼女達の力強さを浮き上がらせていた。ゴダールの「ウィークエンド」を思い出したが、これは1967年作成と「肉体の門」のあとだ。

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