12 February 2007

The Lives of Others

The Lives of Others by Florian Henckel von Donnersonarck 2006 Germany


今年度アカデミー外国映画賞ノミネート作品。1980年代東ドイツ・ベルリン。閉ざされた壁の中の反体制派である芸術家達。劇作家ゲオルグ(Sebastian Koch)そしてキャリアの為に文化省大臣と関係を持つ舞台女優のクリスタ(Martina Gedeck)はお互いひかれ合い同棲し始める。ゲオルグは東ベルリンで行われている処刑の事実を外界に伝える為仲間と動き出す。
公安は不信な動きのゲオルグに目をつけ2人のアパートに盗聴を仕掛ける。そのアパートを24時間監視するウィスラー(Ulrich Muhe)、この2人の人間性に惹かれいつしかゲオルグの動きを見過ごすようになり、結果裏で暴露活動を助ける事となる。


硬派なつくりだが各登場人物が丁寧に描き出されて全体として完成度の高い作品となっている。また話はハリウッド的緻密に計算されたというよりも自然な成り行きにまかされている感が出ており押し付けがましさは一切ない。色的には重厚な社会主義そしてドイツの国民性が全面に表されている。全体的にはどうもお固いドイツ文学を読んでいるような、学校の授業でみさせられた映画という印象だったが、後々まで響くものがあった。映画的というよりはどちらかというと文学的な作品であった。



アカデミー賞の推測ですが、未見の作品を多少カバーしたので少しながら以下にチェンジです。

主演男優賞:フォレスト・ウィッテカー ラスト・キング・オブ・スコットランド
助演男優賞:エディ・マフィー ドリームガールズ
監督賞:マーティン・スコルセッシ

それにしても「Little Miss Sunshine」は人気がありますねぇ。脚本賞でも取る勢いです。



8 comments:

Anonymous said...

前にどこかでこの筋書きは目にしたことがあり、興味を持っていました。冷戦時代のこういう設定が好きです。「国民総スパイ国家」に住みたいわけではないですよ。ぶるぶる!
取り締まる側がその対象に惹かれていくのは「ゾフィー・ショル」にもちらとあったと思いますが、人間の心理を深く洞察している映画、いかにも思索的なドイツ人らしい映画ですね。

claudiacardinale said...

biancaさん、「国民総スパイ国家」に住んだら人間心理はどうなってくんでしょう?私は多分ほぞぼそと静かに暮らしているような。なのでこのような体制の中でも活動して行く人達の精神力ははかりしれないと思います。ああ民主主義の国に生まれてよかった!

Anonymous said...

じっくりと見入ってしまいそうな内容の映画ですね。単館系ですが、日本でも10日から公開されてますよー(って観てないんですけど 笑)
ところで、主演男優賞予想、フォレスト・ウィッテカーを推されてますね。私的には、既存の作品での彼の印象があまりパッとしなかったので、この映画でどんな風に演技してるのか気になります!

claudiacardinale said...

JTさん、「Blood Diamond」のデカプリオがイマイチだったのでフォレスト・ウィッテカーにしてしまいました。実はプレビューばかりで本編は観ていない・・・のです。あー観てこなくちゃ。これもあまりぱっとしなかったら誰にしましょうねぇ?

Anonymous said...

CCさん、見て参りました。トッテモ良かったです。
こういうのを「文学的」というのですね。
つまり私向きということかも・・
主役の男性が、実にいい味で・・好きです。
こんな人・・無趣味で職務に忠実で、でも感受性は失っていないから、刺激には素直に反応する人はどこにもいそう。私の近くにも一人発見・・・

claudiacardinale said...

biancaさん、「無趣味で職務に忠実で、でも感受性は失っていないから、刺激には素直に反応する」とはビアンカさんらしいコメント!これ言われた人はうれしいのやら?なのやら、反応に困るでしょうね。(笑)あっそういえばまだここには書いてないのですが漸く「硫黄島からの手紙」観てきました。実はイギリスはこの金曜日が公開だったのです。この中でパン屋の兵隊の役柄が気に入りました。こんなキャラクター今までの日本を題材にした映画では観た事ないような気がして、等身大の処が気に入りました。

Anonymous said...

とうとうご覧になったんですね。
このパン屋の西郷の二宮君は、内外の監督連に受けがいいようです。多くの日本人から見たら、当時パン屋なんて滅多にないし、こんな兵隊いるわけないよな~といった冷ややかな反応が多数ですが、世界的に見ると理解しやすい人間像に作ったというか、現代の若者の感覚を素直に出したのではと思います。内面では、当時の庶民もこういう感じでいたかも知れません。ところで、アカデミー賞が秒読み段階ですね。女性司会者がエレンなんとかというOPEN GAYになったらしいですね。

claudiacardinale said...

biancaさん、パン屋の西郷の二宮君はとてもわかりやすかったです。まあ言われれば当時パン屋なんて高級店滅多に無かったんでしょうね。

エレン・デ・ジェネレスは数年前にカミングアウトして、当時ABCで売れていた番組に主演していたのですがABCの親会社ディズニーが社のイメージを恐れて彼女の番組をキャンセルした経緯があります。確かその後どこかのケーブル局でトークショーを再開していた筈。彼女は結構面白いので好きです。