22 April 2016

Watchers of the Sky

by Edet Belzberg 2014 USA

サンダンス映画祭そしてエルサレム映画祭にてベスト・ドキュメンタリー受賞作品。ジェノサイド/大量虐殺という言葉を作り出し、また1948年に国連で採択されたジェノサイド条約の尽力者であるポーランド・ユダヤ人法律家のラファエル・レムキンの話しをベースに戦争と人道に対する罪に関する内容である。

この作品ではラファエル・レムキンの他、米国国連大使のサマンサ・サマーズ、ニュルンベルク継続裁判の一つアインザッツベルッペン裁判検察官を努め現在国際刑事裁判所のアドボケーターとして活動するベンジャミン・フェレンチ、スーダン大統領アル・バシールのダフール紛争/民族浄化に対する責任を追求する国際刑事裁判所のルイス・モレノ・オカンポ検察官、ダフール紛争UN難民キャンプの責任者ルワンダ人のエマニュエル・ウォルクンドにも話しは及ぶ。

多くの家族をホロコーストで失ったレムキンが傍聴したニュルンベルク裁判では、ナチは平和を脅かし国際社会に甚大な損傷を与えたという戦争犯罪がベースになっており、このためユダヤ人大量虐殺/ホロコーストなど人道に対する罪は後ドイツ国内の裁判で行なうべきとアメリカやイギリスが反対したが、戦争犯罪に関連するという意味で含まれた。国内で起った事は国際社会は無視していいのか、将来虐殺の抑止を定める国際条約が必要とレムキンは危機感を覚え尽力的に活動を行なう事となった。

レムキンをはじめ、登場する人々には献身的活動を駆り立てる背景がある。この作品ではその彼らが経験した紛争/虐殺を歴史的に検証し、現在でも途絶えないこの人道に対する罪への裁きを伝えている。この作品ではプロットが明確にまとめられ、またヒューマニティーという根底を深く掘り下げる事によって、見終わった後深く考えさせられるものがあった。



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