24 August 2017

An Inconvenient Sequel : Truth to Power / 不都合な事実2:放置された地球

by Bonni Cohen, Jon Shenk 2017 USA

2006年に公開された「不都合な真実」の続編。元米国副大統領アル・ゴアがプロデューサー、出演した前編では、当時既に後には一歩も引けない状態となった温暖化についてデーターと実例を交えながら警告的に語ったドキュメンタリーであった。このドキュメンタリーは大きな反響を呼び、反対派はでっち上げのデーターと多くの反論も出た。あれから約10年、現在温暖化の影響は全世界で顕著に現れ、トランプ政権を除いては各国が認める人類が危機に瀕する事態となっている。この続編では、過去10年での経緯、そして全世界の合意を取り付けたパリ協定までの道のりを描いている。

前半は、主にアル・ゴア自身について多く語られ、後半はパリ協定での攻防を描いている。アル・ゴアの生い立ち、長年環境問題に取り組んで来た政治活動、彼が全世界で主催する温暖化ワークショップにフォーカスしと、もしかしたら2020年の米大統領選に出るのかと思ってしまう程。アル・ゴアはインフォーメーション・スーパーハイウェイ構想など先見の明に優れており好きな政治家なので大歓迎だが、次期大統領選は若手の活躍を期待したい処もある。後半のパリ協定では、反対声明を出すインドのコンセンサスを取り付けるために奔放する各国代表団とアル・ゴア、そして画期的な合意の瞬間を描いている。

ドキュメンタリーとしては、前回とは全く比べ物にならないインパクトが薄い内容だったが、温暖化への取り組みへの行方を理解するには見て正解な作品であった。この日の上映前に、ツイッターを用いてイギリスとアイルランド全土からの質問に対するアル・ゴア氏との質疑がロンドンからサテライト中継を通じて行なわれた。この質疑には全く関係ないが、テネシー州出身のアル・ゴア氏のスーツにカウボーイ・ブーツという出で立ちに生粋の政治家という印象を受けた。

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